210【鶏鳴けいめい)の助】 出典・詩経・斉風・鶏鳴
《 意味 》

 王妃の、君主に対する内助の功をいう。賢い王妃が、君主を早起きさせて、政治を怠らせないようにしたという『詩経』の一説に基づく。
 
《 訳文 》

 鶏が鳴いてもう夜が明けました。朝廷は政治に携わる家臣でいっぱいですよ。(と言って、夫を起こそうと思ったけれど、)あれは鶏が鳴いたのではなく、蠅の飛ぶ音であった。

《 原文 》

 鶏既鳴矣、朝既盈矣、匪鶏則鳴、蒼蠅之声

 鶏既に鳴く、朝既に)つ、鶏則ち鳴くにあら)ず、蒼蠅そうよう)の声なり
《大胆な解説》

 原文にしろ訳文にしろ、意味がよく伝わらない。そこで、こんな解釈 ・・・ 君主である夫が、中々起きてこないので、寝所の扉をあけ放って、議事室に広がる臣下の人達のざわめきを王妃が聴かせて目を醒まさせた。「蒼蠅」とは、「君側にいて、へつらう者のたとえ」とある