明朝体観測日誌


頁 2  令和5年3月16日

 終活に遣っておきたいことがある 空気清浄全身脱毛

 願わくば花の下にて辞世詠む 幸せだったと嘘で〆たい

 東風吹いて思い起こせば越し方の 歩み百歩も一歩の歩幅

 銭形の。ローマに行って何をする トレビの泉に手裏銭シュシュシュ

 人類げしゅにん)に申し渡すと金さんが 月に遠島一件落着

 人間の遣ってることにモノ申す 月に移って揉めていなさい

 願わくば潮騒聴いて眠りたい 妻のいびきが波浪警報

 そんなものゆとりじゃないよいや違う ダンボール造りの2LDK

 賑やかな家庭築くと張り切って クワガタ五匹メダカ大勢

 俺の夢ぶっちゃけ言えば嫁欲しい 敢えて望めば児が三四人

 ヌートバー故郷に戻るその前に ドームの土を袋に詰める


 敢えて注釈
 歌の中にいにしえの和歌の一節、時代劇ヒーローを引用